「モンサンミッシェル」―Mont Saint Michel France―
遠い昔、人々は聖地へ向かうために命をはって旅に出た。
フランス北西部本土から約1.6キロ離れた周囲約900メートルの殆ど岩でできた、モンサンミッシェル湾に浮かぶ小島の中央に聳え立つ修道院。干潮時に人々は馬車で、そして歩いてここにやって来た。
そしてあるものは潮が満ちるとともに溺れて死んでいった。
ここは1337年からはじまった英仏間の百年戦争時に要塞化され、周りは城壁に囲まれている。
島の中は15〜16世紀の家並み残り、ホテルやら、御土産屋さんやら、レストラン、博物館等に使われている。
1979年に世界文化遺産に登録されたこの場所はあまりにも有名だ。
フランス人は私たち日本人が京都へ遠足や修学旅行に行くようにここ、モンサンミッシェルにやってくる。
私の友人知人のフランス人は口をそろえて、モンサンミッシェルは美しい、私は3回行った、僕は4回今まで行った、などと言う。
中身を知る前に、この有名なお城とも思える修道院の写真を見て、いつかは来るつもりでいたこの場所に2004年4月12日、訪れた。
私のダンス仲間にはいろいろな職業の人がいる。
フランスに住んで確か、4年くらいのギリシャ人のピアニストTもその一人。
Tはギリシャ語訛りの巻き舌英語で軽快にギャグを飛ばしながらゲラゲラ笑う人だ。そう、アニメに出てきそうな貴族のマダムが「オーホッホとか、〜ざます…..」とかいった類の言葉を明るく大声で言っている感じだ。
でもそれとは裏腹にこのTって品はとっても良いのだ。
そんなTと何のきっかけだったのか、モンサンミッシェルに一緒にやって来た。
彼女は任せなさい!と頼もしく全てを手配してくれたようだった。
そして私たちはパリから電車に乗ってPontorson Mont Saint Michelに向かった。
電車の中でなにやらTはあわてて、携帯電話を使い始めた。
私はフランス語はわからないので、何であわてているのだろうと思ったら、Tが私に、
「怒らないでね、まだ私、宿を取っていないのよ。」
「まぁ、大丈夫なんじゃない。」と私が答えたら、
「あのさぁ、今連休のお休みでちょうど混んでいる時なんだよね。」と彼女。
もしかして、日本でいうゴールデンウェークに宿の予約無しで電車でもう現地に向かっているということ?
今度は私が心配顔になると、彼女が
「大丈夫、今友達に宿の情報を探してもらっているから。」とまた携帯で話し出す。
T: 「ねぇ、なんだか空いているホテルがあるけど高そうだよ。」
私:「高くっても泊まれないでパリに帰るよりはいいんじゃない?野宿するには寒過ぎるしさぁ。」
T: 「だけど私お金ほとんどないんだよぉ。」
とりあえず、ポントルソン、モンサンミッシェルの駅まで着いたら私たちの宿探しがスタートした。駅に近い宿から一軒一軒空室があるかを聞き歩く。
はじめの宿のお兄さんは
「もしかしたらキャンセル待ちがあるかもしれない、今日は混んでいるからなぁ、少し待っていてくれる?」対応が丁寧だが、空きはやはり無し。「調度連休だしねぇ。」との事。
それから5件ほど、町をぐるっと回り、空室があるか聞いた。最後の宿主に、
「今の時期に予約無しで見つかるわけないわよ。」なんていわれたよぉ、と半分泣き声の私の友達T。
もう見つかんなかったらしょうがない。あたれそうなところは全てあたって駅のほうに戻ってきた。
なんだかもう一軒あそこにあるのは?
ちょっとしたバーになったその建物は宿を併設している。
そこに入り、だめもとのつもりが、今さっきキャンセルが入ったという。
なんてラッキーな私たち。
Tのゲラゲラな豪快な笑いが戻ってきた。私もゲラゲラつられて叫び笑いをした。
モンサンミッシェルはいうまでもなく美しく、わたしたちの笑顔はやまなかった。
*写真上から
霧のかかったモンサンミッシェルの全貌
城壁の中の家並み
有名な修道院内のゴシック様式の回廊1
有名な修道院内のゴシック様式の回廊2
モンサンミッシェルの全貌*
このサイトが気に入った方は、こちら→人気blogランキングをクリック投票お願いします!


