「ニューヨークの治安の行方」アメリカ ニューヨーク―New York USA―
今では日本人が日本の電車を危ないと疑うことがないのと同じようにニューヨーカーも地下鉄を使っているように見える。
一昨年5月ごろ、ニューヨークで深夜零時過ぎに地下鉄に乗るときに、友達に「絶対に眠っちゃダメだよ。眠っていた人が火をつけられて殺されたから。」といわれた。
ニューヨークの地下鉄は24時間運行だ。昼間はそんなことは全くないのだが、深夜は全く人がいないプラットフォーム、車両とかで、悲しいことが起きることがあるようだ。
私が暮らし始めた92年ころ、まだニューヨークには危ない場所がたくさんあった。夜の地下鉄は絶対に敬遠していたし、私の直接の知り合いは殺されたことはないが、知り合いの知り合いで殺されたという話はいま思い浮かべただけでも、6人くらいいる。日本の知り合いでそういう人は一人もいない。
私は絶対に危ないといわれるエリアには行くことはなかったし、人気のないところには近寄らなかった。被害にあっている人たちの殆どが、こういうことを守っていなかった。
かつて怖いといわれていたニューヨークの地下鉄。ジュリアーニ市長が就任してから変化は起きた。元検事だった法律専門家は、次々と新しい合法な決まりを作り、まず危険となる原因を根こそぎカットすることからはじめた。
かつて、42ND STREET界隈のどこもかしこもあった、ポルノ関係のお店XXXはきれいさっぱりなくなった。「学校から何キロ以内にポルノ関係のお店を開いてはいけない。」見たいな法律を作ったらしい。
軽犯罪こそが、大きな犯罪の根本と考えたジュリアーニ市長は、今まで重要とみなされなかった車両荒らしなどを徹底的に逮捕して記録を残すことにした。その結果、犯罪検挙率が上がった。軽犯罪を犯した人がさらに、大きな罪を犯す確立が多いという彼の考えは正しかった。
ポートーオーソリティのドでかいバスターミナルは犯罪の温床だったのを、チケットがないと入れないようにしたりしたのも、彼だ。
私はニューヨークが安全になっていくのを現地で実感した一人だ。
あまり規則、規則で「自由な感じがなくなった。」という人も中にはいた。しかしたいていの人たちは安全になったニューヨーク生活を前よりもっと楽しんでいたのではないかと思う。
来月10月から、また新たな決まりが実行される。ニューヨーク地下鉄内でキャップのない容器から飲み物を飲む行為の禁止、走行中に車両を移動禁止、など。ニューヨーカーはよく、1ドルくらいで買える紙コップのコーヒーを地下鉄車両内で通勤がてら飲んでいる。お金稼ぎのパフォーマーは車両を移動しては歌ったり踊ったりしている。
それが来月からなくなるのだ。違法行為の罰金最高額は100ドル。
安全になるのはいいけど、あんまり規則が厳しくなると、これからのニューヨークはどうなるのだろう?
(2005年9月21日に「RIKIの毎日るんるん」で掲載したものです)
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